2021年8月6日掲載
McCoy Tyner           Today & Tomorrow
impulse!原盤             1963年6月録音

 本作品は、マッコイ・タイナーのインパルス!での二つのセッションで構成されている作品です。

 最初のセッションは1963年6月4日のもので、Jimmy Garrison(b) と Tootie Heath(d) とのトリオでの録音です。このメンバーで前日にも録音を行なっていますが、そちらでの演奏はお蔵入りになったようです。この4日のセッションでは7曲が演奏され、その中から3曲が本作品に収録されました。

 次のセッションは1964年2月4日のもので、Thad Jones(tp), Frank Strozier(as), John Gilmore(ts), Butch Warren(b), そして Elvin Jones(d)との6名での演奏です。4曲が演奏され、本作品に3曲が収録されました。

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 三管編成での演奏の興味はやはり三管のそれぞれの個性の発揮と共に、三管でのまとまり具合となります。1曲目に収録されているマッコイ作の「Contemporary Focus」が、三人それぞれの刺激的な演奏と、三人一緒での重量感ある演奏があり、六人編成の三曲の中では光っています。

 トリオでの三曲の中では、「Autumn Leaves」でのトリオが一丸となっての刺激的な演奏が輝いています。この有名スタンダードのピアノ・トリオ部門があるとしたら、ここでの演奏はベスト10に入るものです。

 トリオ演奏ではさらに「When Sunny Gets Blue」の落ち着き具合も、良いものでした。

 二つのセッションでの構成ということで、本作品はあまり注目を浴びるものではありませんが、曲に注目して聴けば楽しめる作品です。