1931年生まれのテナー・サックス奏者のデューイ・レッドマンですが、プロ活動前にはプレイリービューA&M大学で工業芸術の学士号を取得し、さらには北テキサス大学に在籍し教育の修士号を取ったとのことです。1959年からミュージシャンとしてのプロ活動を開始し、オーネット・コールマンのバンドに在籍し、さらにはオールド・アンド・ニュー・ドリームズというバンドを結成し活動していたことは有名なことでしょう。リーダー作も15枚ほど発表しており、今日取り上げる作品はその中間に位置するものです。(以上はWikipediaより)
Charles Eubanks(p), Mark Helias(b), そしてEd Blackwell(d)とのカルテットで制作された本作品は、発表当時には Allmusic や The Rolling Stone Jazz Record Guide などで高評価を得ていたようです。
この作品が新譜コーナーに並んでいた時期に私はジャズを聴き始めたのですが、この作品の記憶はありませんでした。SNSでこの作品に接し、購入した次第です。
アルバム・タイトルの演奏曲はないので、「闘争は続く」とのタイトルは本作全体を捉えてのものでしょう。聴いた後にアルバム名を考えると、「生きている限り、奮闘は続くんだよ」との意味かなと感じました。
刺激的であり包容力のあるデューイのサックスは、マーク・ヘリアスの変幻自在のベースと共に、いくつもの表情を見せてくれます。2曲目にある「Love Is」では美しいメロディの中で、愛に包まれる喜びと、それを続けるための苦労を表現しているようで、私は気に入りました。この録音の時には50歳を超えていたデューイさんですが、そちらの方も活発だったのかと思いながら、思わずニヤリとして本作を聴き終えました。