ダニエル・ザミールのACUMからの作品をこの「今日の1枚」で取り上げるのは、これで三作目となります。AUCMというイスラエルのレーベルのWebページが見当たらず、どのような作品を制作しているレーベルなのかは分かりませんが、ディスク・ユニオンのページにはこの店が扱っている作品のページがあります。それを見ますと、ザミールの3枚の他に、Trespass というトリオの作品、そしてCrossfire というグループ(?)の作品が一枚づつありました。まぁ、ザミールが柱のレーベルなのでしょう。
本CDもヘブライ語でブックレットが書かれていますが、メンバーは英語でも書かれています。
Omer Klein(p)、Omer Avital(b)、Aviv Cohen(d)、Itamar Borochov(tp)、Avi Leibovitch(tb)でのシクステットでの演奏であり、特別ゲストとしてEviatar Banai が参加しています。
この特別ゲストの方ですが、Wikipediaにページがありました。イスラエルのミュージシャンでありシンガーソングライター、楽器はギターとピアノを演奏するとのことです。
どの作品を聴いても同じ印象、これがネット上で散見されるザミールへのネガティブな評価なのでしょう。これはそのミュージシャンへの世界へ入り込めるかどうかの問題であり、このご意見にはその通りの面があるのでしょう。
ザミールの世界に惚れ込んだ人間には、聴いていて興味が尽きないザミール節が続きます。ソプラノ・サックスでのザミールを支える、リズム陣もまた素晴らしい切れ味です。Omer Klein に Omer Avital ですので、当然のことでしょう。
そしてドラムは Aviv Cohen、似た名前が多くて混乱しますが、活躍されているお方です。またトランペットのアヴィシャイ・コーエンのバンドでも、活動しているようです。これからもイスラエルから注目のジャズマンは次々と出てくるのでしょう。
さてこの作品でのトロンボーンとトランペットですが、微かな色付けの役割であります。
最後の曲の「Missing Here」ではヴォーカルが入り、一日の終わりの寂しさを醸し出しています。
この歌声はザミールさんと思いましたが、それだと特別参加のEviatar Banaiの立場がないなどとも考えながら、素敵な終わりかの作品だと感じました。