2021年3月8日掲載
DeJohnette - Grenadier - Medeski - Scofield
Hudson
Motema原盤          2017年1月録音

 私がディジョネットの2013年作品を取り上げた際に、その後に製作された本盤の紹介をSNS知人からいただき、購入しました。

 録音時点で、Jack DeJohnette が 74歳、ベースの Larry Grenadier が 50歳、ピアノの John Medeski が 51歳、そして John Scofield が 65歳です。デジパックの内には四人の笑顔の写真がありますが、ディジョネットとスコフィールドが年齢を感じさせるもの、そして他の二人は年齢より老けて写っております。それは別にして、本当に素敵な集合写真です。

 さてクレジットをみますと、「Produced By Hudson」とあり、その下に四人の名があります。従ってこのハドソンとは、この四人のユニット名であり、そして本作のアルバム名なのでしょう。さらには録音スタジオが「NRS Studios, Catskill, NY」となっています。場所はハドソン川の近くであり、このユニット名、アルバム名の由来になっているのでしょう。

 1曲名には四人の共同作業でタイトル曲、メンバー作の曲が4曲、さらにはディランの2曲、ジミヘンが2曲、ジョニ・ミッチェルとザ・バンドの曲が1曲づつ、計11曲が収録されています。

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 澄んだ音で各楽器が絶妙に混ざり合う、これはエンジニアのScott Petioの腕によるものでしょう。

 そして演奏内容がいろんな色合いを見せており、楽しめるものです。これは四人の腕の結集ですが、やはりギターの印象が強いです。アメリカのポップ史における印象深い曲が並んでいますが、スコフィールドのギターには、その作者への敬意が感じられます。ジミヘンやロビー・ロバートソンは特筆のギタリストですが、ディランやジョニ・ミッチェルのギターに愛着を覚えている方が多いはず。そんな愛着をスコフィールドは、愛情を込めて意識したのではと感じました。

 各曲にコメントしたいのですが、ここではザ・バンドの「アップ・オン・クリプル・クリーク」について一言。ロビー・ロバートソンの音が光る独特の奏法を、直接的ではないですがスコフィールドはそれを思い出させるように演奏している気がしました。

 スコフィールドを中心に感想を述べましたが、あくまでハドソン四人のミュージシャンとしての奥の深さを感じた1枚でした。