ジョン・マクラフリン、ジャコ・パストリアス、トニー・ウィリアムスの3人が、1979年3月2日から4日にかけてキューバで行われたハバナ・ジャムというイヴェントに出演したこと、そしてそこでの演奏を「ハバナ・ジャム」という2枚のアルバムで発表したことは、1970年代から1980年代のフュージョンを聴いていた方々には、常識なのでしょう。
1970年代のジャズも好きで追っかけていながらフュージョンを避けていた私は、今年になってからこの著名3人の活動をSNSで知りました。
先の2枚のアルバムはライブ演奏として発売されていましたが、後のスタジオ録音をライブ風に加工したのも含まれていたとのことです。2007年になりライブとスタジオ作業を分けて、この3人によるこの時期の活動の全網を収録したのが、今日取り上げる作品です。
裏ジャケに、クリームとジミヘンのエクスペリアンスからの影響が、とのコメントがあります。それを強く感じるこの3人の演奏ですし、私はさらにザ・フーの姿も感じました。それは3人が常にソロをとっているようでありながらも、常に一体となった演奏を繰り広げている点からです。
聴きごたえある演奏が並んでいる本アルバムですが、3人の熱量という点からマクラフリン作の「ダーク・プリンス」に圧倒されました。ライブ盤では先の「ザ・フーのような」という点を強く感じ、数日後のNYでのスタジオ録音では裏ジャケにあるエクスペリアンスの姿を感じ取りました。
3人それぞれが主張しながら組み合っていく様子に聴き入りながら、この1979年の他の音楽シーンも頭に浮かべながら、本作品を楽しみました。