モンクが活動を停止していた1970年代後半に、モンクの盟友チャーリーラウズがNYで録音した作品です。Jazzcraftへの録音でしたが、その後にStoryvilleに権利が移り、7曲中の4曲について別テイクを入れて発売されたものです。
ヒュー・ローソン(p)、ボブ・クランショウ(b)、そしてベン・ライリー(d)との演奏です。やはり、ユセフ・ラティーフやジョージ・アダムスなどとの共演で知られているピアニストのヒュー・ローソンと、主役のラウズとの演奏が聴き所なのでしょう。
攻める姿勢のラウズに聴き惚れる「ザ・クラッカー」は、ヒュー・ローソン作の曲で、アダムスのアルバムでも演奏されている曲です。ラウズ作の「レット・ミー」では、陽気に笑顔のブルース・ナンバーを、リズミカルに決めるピアノが気持ち良いものになっています。ヒュー・ローソン作の「ジューボビー」はアップテンポでドラマチックなメロディの曲ですが、ラウズのテナーには熱を感じます。これもアダムス作品で演奏されていますので、聴き比べるのも面白いものでしょう。
この3曲がLPならばA面となりますが、曲の良さと快演が重なり、素敵なものとなっています。
ラウズにとっては不遇とも言える1970年代なのでしょうけれど、ジャズマンとしての心意気を持ち続けていることをこの作品から確認できるのも、嬉しい限りです。