松田聖子さんのジャズ作品「Seiko Jazz」は大評判を呼んだとみえて、すぐに「2」が制作されました。この作品も、聴く前からその内容の素晴らしさを感じます。
今回はグラミー賞男マーヴィン・ウォーレンが全体監修を行っており、コンボをバックに松田聖子さんが10曲を歌っています。
さすがは聖子さん、というジャケットの本作品を聴いてみます。
1954年にヒットしたパブロ・ベルトラン・ルイズ作の「Sway」ではテキーラで燃え上がった気分の聖子さんがおり、
映画「恋人たちの予感」でもお馴染みの「It Had To Be You」では恋の予感で嬉しさいっぱいの聖子さんを感じ、
ジュディ・ガーランドの熱唱が浮かんでくる「Over The Rainbow」は節に願いを込めている聖子さんであり、
マーヴィン・ウォーレンとの掛け合いで歌っている「The Way You Look Tonight」では大人の恋を楽しんでいる聖子さんに感じ入り、
ボサノバの代表曲である「One Note Samba」には海を見ながら遅い朝食を楽しんでいる聖子さんがおり、
「Fly Me To The Moon」での聖子さんはなかなか思いを感じ取ってくれない男性への焦ったさを表現していて、
カルロス・ジョビンの「How Insensitive」での恋心の行き違いを表現する聖子さんの奥深さに感じ入り、
マイケル・ジャクソンのヒット曲でマイルスも取り上げている「Human Nature」では自分に恋焦がれている男性の気持ちを歌う聖子さんがおり、
同じくマイルスも演奏している「When I Fall In Love」では聖子さんの深みのある表現力に驚き、
更にマイルスの名演奏でジャズ・ファンの心を捉えている「My Funny Valentine」では聖子さんの「Stay, little valentine, stay !, Each day is Valentine's Day」との歌声に自分の気持ちを捉えられて、本作品を聴き終えました。
(以上の曲紹介は、スイングジャーナル社2001年発行の「20世紀ジャズ名曲大事典」から引用しました)