ガーランドがコルトレーンとドナルド・バードとのクインテットでの1957年11月15日の録音は、12月13日と合わせて、ガーランド好きの間では「ガーランドのマラソン・セッション」と呼ばれています。
本作には11月15日のセッション全10曲から5曲が収録されています。
ヴァンゲル・スタジオの庭で撮影したようなジャケ写ですが、暖色の付け方とガーランドの服装センスで、何とも言えない迫力のジャケとなっています。
「今日のコルトレーン」ではどうしてもコルトレーン中心のコメントとなりますが、ここは「今日の1枚」、ガーランドの魅力を感じながら、1960年になってから発売された本作を聴いてみます。
ガーランドの人気作品といえば、「グルーヴィー」を筆頭した、トリオ作品です。ではホーン入りの中で人気作品といえば、本作もそうだし、他にもあり、筆頭格と言える作品を挙げるのは難しいものです。
A面の「Soul Junction 」は15分超の演奏時間の前半が、ガーランドの独断場となっており、彼のブルース感覚を堪能できるものです。B面は「Birks' Works 」で始まり「I Got It Bad (And That Ain't Good) 」と続き、ブルースからバラッドへのガーランドの魅力、ブロック・コードとシングル・トーンの真髄をたっぷり味わえる演奏です。そこにコルトレーンとドナルド・バードの演奏が加わるのですから、申し分なしの演奏です。
しかしA面とB面、これらの曲の後に、もう1曲づつ収録されています。その曲だけを聴く分には良い演奏なのですが、アルバムという単位で聴いた場合、ガーランドの魅力を強く感じられる上記3曲だけの収録にしとけばとも、思ってしまいます。
2曲を収めなければ30分に届かない演奏時間なので、難しいものなのでしょうけれど、もし3曲だけの収録としていたら、ガーランドのホーン入りリーダー作の筆頭格にこの作品はなったのではと感じながら、聴き終えました。