こうして本盤を「今日の1枚」で取り上げる為にジャケのクレジットを見ているのですが、「Wess/Coltrane/Quinichette」となっているのですね。「コルトレーン特集」で書きましたが、これはマルが指揮をとったオール・スターズ・セッションですし、売り目的で行くならマルとコルトレーンの双頭セッションと言うべきものでしょう。
ベースにワトキンス、ドラムにテイラーを擁しての、三管編成での作品です。またプレスティッジのオール・スターズものとして、人気の高い作品です。マルの設定した中で、三管がどのように泳いでいるかを楽しみます。
オランダで夏用のスケートとして誕生したとの説が強いローラースケートですが、アメリカで発売されたのは1863年のようです。それから2世紀半以上経ったアメリカでは、今でもローラースケートは人気のようです。
そのローラースケートを使った本作のジャケですが、それは待ち侘びた娯楽の時間との、楽しげな雰囲気が出ているものです。
その雰囲気は、本作にも通じるものです。ゆったりとリラックスしてのブルースで軽くジャムセッションですが、肩肘貼らずに楽しむジャズに仕上がっています。人気のプレスティッジ・オールスター・セッションの、魅力が詰まっています。
コルトレーンもクィニシェットの魅力を堪能できますし、それを高めているのは、ガーランドのピアノとウエスのフルートでしょう。