コーエン三兄妹の一人、トランペット奏者のアヴィシャイ・コーエンの第七作目を、今日は取り上げます。
Wikipediaでの彼の紹介を、簡単に引用します。8歳の時に彼は母にトランペットを習いたいと頼み、10歳の時にはThe Rimon Big Bandで演奏をはじめました。また10代の時にイスラエル・フィルハーモニック・オーケストラで演奏をしたそうです。アメリカに移りバークリー卒業後の1997年には、Thelonious Monk Jazz Trumpet Competitionで三位に輝きました。この後にNYでプロ活動を本格化させ、2003年にリーダー作品を発表し、現在に至るまで様々な形で作品を発表し続けています。
本作はイスラエル出身のOmer Vital(b) と Freddie Waits の息子さんである Nasheet Watts(d) との演奏であり、この三人は2010年から活動しているそうです。さらに本作にはアナット・コーエンも参加しており、他に二曲でキーボード奏者とヴォーカルも加わっていおります。
アヴィシャイ作の6曲と有名な4曲の演奏、即興にこだわって録音された作品とのことです。
夜の静けさと共に一人で過ごす時間も、人には大切なもでしょう。落ち着き、巡らす考え、悩みに悩み、たまに夢を描け、やがて眠りに入り新しい日を迎える、私もそんな時間を大切にしています。
本作はそんな気持ちを、多様な角度から表現している演奏です。この三人の息の合い方はお見事ですし、聴き惚れるものです。またアヴィシャイのトランペットは、偉大な大先輩の影響をたっぷりと受けながら、オリジナリティを確立しているものです。刺激を求める粋がった姿と、優しさを願っている柔な面、このいったりきたりも演奏から楽しめ、これがアヴィシャイの個性なのかなと思ったりもしました。
エフェクターを使い多重録音をしたりの演奏もありますが、全く気にならないものです。光っているトランペット奏者と息の合ったベースとドラム、素敵な世界を作り上げました。
本作が発表された2014年に、アヴィシャイは初来日公演を果たしたとのことです。そこで聴けた方々は、幸運だったことでしょう。