2018年12月4日掲載
Bud Powell                 Live At Birdland
Marshmalo原盤          1957年10月録音

 ドナルド・バード,フィル・ウッズ,ポール・チェンバース,そしてアート・テイラーと演奏するバド・パウエルの作品を、今日は取り上げます。1950年代以降のパウエルは調子が良いと言える時期は無かったのですが、渡仏前の1957年・1958年は調子の良い時が多かったようです。

 しかしパウエルとウッズとの共演があるとは驚き、ネットにある有名なディスコグラフィー・サイトで調べたのですが、ウッズとの共演がありませんでした。本作自体も掲載されていませんでした。そして更に驚いたのは、ドナルド・バードとの共演も他に無いようです。

 2014年にマシュマロより世に出た作品です。999枚限定で私のCDには105と手書きされています。

20181204

 随分と煽るテイラーのドラムですが、これは若手二人にのびのび演奏させるために、パウエルが狙ったものなのでしょう。最初のアップテンポの2曲は、若手とパウエルの呼吸合わせのように感じました。そこでのパウエルは演奏を楽しんでいるようです。

 そして3曲目のスローナンバー「Lover Man」ですが、これは1940年代半ばからの人気曲ですので、パウエルは何度も演奏してきた曲なのでしょう。しかしディスコグラフィーを見る限りでは、媒体で世に出るのは、この作品のが最も早い時期の演奏となります。快調な演奏のドナルド・バードとフィル・ウッズ、それに続くパウエルの演奏も良いものです。しかし、時に頭に浮かんだアイディアが指の動きについていかず、思わず自分の頬をたたくパウエルの姿が頭に浮かんできました。人間パウエルの微笑ましく、また引き込まれる演奏でした。