モノクロであり、ミュージシャンをしっかり捉えているブラック・ジャズのジャケット・デザインは、その最後の方まで続いています。また私の持っている箱CDのジャケは微粒面紙を用いており、これはオリジナル盤でも同様だったと思います。一目でブラック・ジャズと分かるジャケットは、このレーベルを印象付けるのに大きく貢献しております。
BJ/6として発売された第6弾は、チェスター・トンプソンの作品です。例の小冊子から本作を紹介します。
ブラック・ジャズに残したこの一枚が唯一のリーダー・アルバムとなるオルガニスト、チェスター・トンプソンはタワー・オブ・パワーやサンタナ・バンドといったグループのメンバーとしても活躍した西海岸の重鎮。モード・ナンバーを中心に音域レンジの広いダイナミックなプレイを聞かせるA面、ファンキィなジャズ・ファンク・ナンバーを中心にR&Bフィーリングに富んだ切れ味の鋭いプレイを披露するB面いずれもが黒いグルーブ感を感じさせる重量級の一枚。フット・ペダルによるベースも豪快だ。異様に凄まじいテンションを発するルドルフ・ジョンソンのテナーにも注目。
(今回の特集でのこの小冊子からの引用は、原文をそのまま引用しています。突っ込みどころありでも、そのままです)
ドラマーのチェスター・トンプソンではなく、オルガン奏者のチェスター・トンプソンです。ジャズ界では無名のままのチェスターですが、小冊子にある通りにソウル界では知られた方であります。チェスターがかなり若い時に吹き込んだ、そして唯一のリーダー作を今日は聴いてみます。
威勢の良いオルガン・ソウル・ジャズを勢い良く楽しんだ作品です。取り立てて、どうのこうのという作品ではありません。しかし違う畑で活躍したチェスター、ジャズ界で主役を張った唯一の作品と考えれば、この作品にも存在価値があるというものです。