サッチモも1枚は持っていようと、1989年に購入した作品です。一度は聴いたはずですが、記憶はありません。この作品はサッチモが1935年に契約した長年のデッカ時代の中から、ピックアップしたものです。24曲収録されていますが、
多くは1950年代に吹き込まれたものです。28年振りに聴くことになるのですが、リストを眺めているとビリー・ホリデイと1949年9月に吹き込んだ2曲があります。
どんな感じか、楽しみです。
私は鶴田浩二などが活躍した任侠映画は、あまり見たことがありませんが、それでも数本は観たことがあります。戦後の日本の姿を捉えている場面もあり、浪曲が大人気だったことが分かる映画がありました。村田英雄がそのまま浪曲スターとして登場するのですが、今のアイドル顔負けの人気を、若者から集めておりました。アメリカではそれがジャズ・マンだったのでしょう。
1948年作のヒットパレードという映画で、そんな様子が伝わってきます。何人ものビッグ・ネームのジャズ・マンが登場しますが、その中で圧倒的な存在感を示していたのが、サッチモでした。多くの人に愛されている様子が、伝わってきました。
このサッチモのCDは、そんなサッチモの存在感が分かる内容で素晴らしい作品です。しかしながら私にとってのジャズは、その後のハード・バップ誕生からのものであります。そんな意味で私にとってこの作品は、ジャズ史を知る貴重なものとのことになります。
冒頭に任侠映画のことを書きましたが、私が愛する映画は、その後の深作監督の実録ものであります。何か共通しているのかなと思いながら、それはこじ付けかなと思いなおし、この作品を聴き終えました。