2017年6月9日掲載
Michel Legrand         Legrand Jazz
Philips原盤                 1958年6月録音

 多くのジャズ・ファン同様に、私はジャズ聴き始めの時に大量にレコードとCDを買い込みました。当然ながらそれらの作品は、その時点で興味を持っているミュージシャンの作品であり、一方では幅広くジャズを知りたいとの思いで、名のある方の作品も買い求めておりました。

 そんなこんなで5年ほど過ぎた時に購入したのが、本作品です。理由はミッシェル・ルグランと名前の通った方の代表作であるのと同時に、自分の贔屓であるコルトレーンやマイルスが参加しているからであります。

 この作品は既に名声を得ていたルグランが26歳の時に、新婚旅行でアメリカを訪れた際に録音されたものです。3つのセッション、計11曲が収録されています。

 私の興味はマイルスにコルトレーン,エヴァンスにコスタ,そしてハービー・マンにウッズが参加した11人編成で吹き込まれた4曲、即ち「The Jitterbug Waltz」「Django」「Wild Man Blues」「Round Midnight」であります。

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 いかにもおフランスものと言った演奏内容です。このまんまフランス映画のサントラとして使えそうな演奏です。マイルスとコルトレーン入りセッションにおいても、アドリブの妙を聴ける訳は無く、ルグランのアレンジに沿って、ルグランの指揮で吹き込まれた演奏です。アドリブらしきものも、譜面に書かれているように感じます。

 その中で「Round Midnight」でのマイルス、この曲のメロディを吹いているのですが、そこでの彼のミュート・トランペットの存在感は流石のものでした。