2017年5月7日掲載
Kronos Quartet            Monk Suite
Landmark原盤              1984年録音

 クロノス・クァルテットは弦楽器奏者だけのグループであり、現代音楽を専門に演奏しており、1970年代初めから今日まで、メンバーの変遷はありながら常に活動しております。その音楽の方向は、時には民俗音楽に向かうなど、多面的な部分もあるとのことです。

 このグループにジャズ・ファンが注目したのは、当然ながらその方向がジャズに向かった時のことでありました。私の記憶の限りですと、モンクとエヴァンスをテーマにしたレコードを発売しました。

 今日取り上げるのはモンクの作品を取上げたものです。1985年に発売され、それなりに話題を呼んだものでした。ロン・カーターがゲストで参加しております。

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 このカルテットが持つ演奏力を活かしての様々な仕掛けを施し、楽しく聴ける1枚にしております。全9曲ですが、7曲は「Monk Suite」としてモンクの代表曲を並べております。残り2曲は「Monk Plays Ellington」として、エリントン作の「It Don't Mean A Thing If It Ain't Got That Swing」と「Black And Tan Fantasy」を取上げています。

 モンクのエリントンと言えば、皆様お馴染みの1955年のセッションであり、そこでこの2曲を取上げています。これによりエリントンのイメージが強くモンクの中にあるのですが、モンクはこのセッション以外ではエリントンのこの2曲を取上げたことはありません。

 そんなことで私にはモンク集にこの2曲を取上げるには違和感を感じたのですが、その演奏内容はこの作品の中でトップのものです。このカルテットは、エリントンの曲の方が力を発揮できるねと感じながら、聴き終えました。