2017年4月3日掲載
Johnny Griffin    Do Nothing 'Til You Hear From Me
Riverside原盤    1963年6月録音

 黄金の1950年代を通過したジャズの世界は、1960年代になると多様な方向性を見せ始めます。その中にあって、活動の場面を欧州に求めたミュージシャンも数多くおります。今日の主役ジョニー・グリフィンもそんな一人で、この作品を録音した後すぐにオランダに渡り、その後は欧州を拠点にしておりました。バディ・モンゴメリー(p,vib),モンク・モンゴメリー(b),そしてアート・テイラー(d)との録音です。

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 グリフィンが聴かせるバラッド2曲に痺れます。美しさと甘さ、グリフィンが真正面から直球でこれを表現すると、その辺の美しさ甘さ売りのミュージシャンなど単なる軟弱な男の戯言に思えてしまいます。「The Midnight Sun Will Never Se」と「That's All」が、その2曲です。

 豪放なグリフィン節の演奏の中にこの2曲を忍ばせ、アメリカを離れたグリフィンでした。