ナット・アダレイがお兄さんのバンドで活躍していた時期には、ナット自身のリーダー作品も多く吹き込まれました。その中でもワン・ホーンと言えば名盤「ワーク・ソング」となりますが、そちらはウエス入りのクィンテット編成のもの。今日取り上げる作品は、ワン・ホーン・カルテット作品であります。
19日のセッションにはウイントン・ケリーが参加しており、20日のセッションにはジョー・ザビヌルが加わっております。ナットとザビヌルのオリジナルに加えて、渋いスタンダードやロリンズの曲などを取上げています。
様々なタイプの曲を取上げており、ナットというミュージュシャンの奥深さを感じ取れる1枚です。ザビヌル作の「Seventh Son」は陽気な曲で、ナットのミュート演奏やザビヌルのソロも素敵だが、それに粘りっこく絡むサム・ジョーンズのベースに関心しながら、演奏を堪能しました。ザビヌル参加の4曲に、軍配が上がる内容と言えます。やはり、気心知れたメンバーとの演奏だったからでしょう。