2017年12月3日掲載
Dizzy Reece           Comin’ On
Blue Note原盤         1960年4月録音

 「ブルー・ノートのトランペッターと言えば、ルイ・スミスにディジー・リース」と、この「今日の1枚」で何度も書いてきました。今日はディジー・リースのブルー・ノート盤を、紹介します。

 本作品は1999年に、マイケル・カスクーナの作業によって陽の目を見た作品です。録音時期から、私は3枚あるリースの作品の中の、「サウンディン・オフ」の未発表なのかなと思いました。しかし「サウンディン・オフ」はワン・ホーン作品なのに対して、こちらはタレンタインとの2管あるいは3管での演奏です。録音月を見ると、「サウンディン・オフ」は5月なのですが、こちらは4月と7月でした。つまり全く違うセッションの作品であり、それが30年以上倉庫に眠っていたことになります。4月のセッションにはティモンズ、7月のセッションにはデューク・ジョーダンが参加しています。

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 このような発掘盤なので、セッション毎に、そして恐らくは演奏順に収録されていると思います。そのようなパッケージで聴くと、作品としての盛り上がりは如何なのだろうとの意見が出てくるのでしょう。そしてお蔵入りになったのでしょう。

 しかし曲毎に注目していけば、リースのリズミカルで張りのある、そしてよく歌うトランペットの魅力に感じ入ります。それらは、ブルーノートへの他の3作に引けを取るものではありません。LPでの曲順をしっかりと考え、収録9曲中3曲落として40分ほどのアルバムにすれば、素敵な作品に出来上がったはずです。

 話逸れますが、企画案ばかりの当サイトの企画案の一つに、「俺ならこうする、このセッション」というのがあります。多数曲収録された同一セッションから、私ならばこの曲順でこういうアルバムとして発売した!、とのものです。この企画が実現の運びとなった際には、このリースのセッションからアルバム案を提示いたします。

 「今日の1枚からつまみ食い」を実現させるまでには13年かかりましたが、「俺ならこうする、このセッション」は数年以内に実現したいです。