2017年12月10日掲載
Christian Jacob    Live In Japan
SS Jazz原盤                 2007年10月録音

 先にジェイコブさんの作品を取り上げましたが、今日紹介する作品が私が初めて彼に接した演奏です。日本のTokyo TUCでのライブです。制作者が強調している本作品のポイントは「日本の四季4部作」、すなわち「花」「夏の思い出」「赤とんぼ」そして「雪の降る街を」を取り上げていることです。

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 この人はメロディの出し方が、聴かせ方が本当に上手い人ですね。このライブでは強いタッチは控えめにして、メロディで酔わせる演奏です。

 そんな感じに中で「日本の四季4部作」を聞きますと、滝廉太郎も中田喜直も、そして山田耕筰も凄いメロディメーカーであることを実感します。

 さて封入ライナーにジェイコブさんのインタビューが載っております。このライブ会場のお客さんがジェイコブさんの作品を全て聴いている人に驚くコメントをしているのとともに、この来日の際に横濱ジャズプロムナードに出演したことへの感想も寄せています。「もっとも印象的だったのは、横濱ジャズプロムナードで演奏した時だ。僕を全く知らない、たぶん初めて聴いたお客さんが、トリオの演奏に感激し、暖かく受け止めてくれた。終演後、彼らが送った拍手、歓声、そして会場の雰囲気。僕が今までに経験したことのない最大級の賛辞だった」。

 横濱ジャズプロムナードは、ある会場で外国人ミュージシャンだけ5組での予定を組むことがあります。この2007年は赤レンガ倉庫だったと記憶しています。ジェイコブさんのコメントにあるように、全く彼を知らない人たちが集まっていたはずです。そんな中で、1組は観衆を圧倒させる演奏を行います。この年はジェイコブさんだったのでしょう。私はこの年に限り二日間中片方にしか参加できず、このジェイコブさんが観衆をKOした演奏を聴けませんでした。今回改めてこの作品を聴いて、後悔しています。