1989年にCD化された際に解説を書いた成田氏の文章によれば、「都会的ブルースに彩られた雰囲気を醸し出すギター」というのが、バレルへの一般的な印象とのこと。
ジャズ黄金時代の数多くの作品に参加し、売れっ子のギタリストでした。そんな彼の、発売レベルとしてはBN初の作品になります。トミ・フラ,チャンバース,クラーク,そしてキャンディドが参加しております。
今こうして参加ミュージュシャン名を書きながら思ったのですが、この作品にコンガが加わっていた記憶がないのです。15年以上この作品を聴いておりませんので、単に本盤への記憶が薄れているだけなのでしょうか。
1950年代のバレルのシンプルでいながらブルース感覚満載のギター演奏は、半世紀が経った今でも、充分魅力的な響きであります。バレル作の『フーガとブルース』における、トミ・フラと築き上げているジャズの世界は至極のものです。
さてコンガの存在ですが、この曲では参加しておりません。他の曲では良い味付けとして、コンガが活躍しています。キャンディドというと、無理矢理に彼を参加させたような作品が思いつくだけに、ここでの彼の存在は自然体であり魅力的なものになっています。コンガ参加の悪さが無いだけに、この作品へのキャンディドの参加が記憶に残っていなかったのでしょう。