2008年4月9日掲載
Phalanx     in touch
DIW原盤         1988年2月録音

 ファランクスの最後の作品になります。ジョージ・アダムス(ts)とジェームス・ブラッド・ウルマー(g)が、互いをぶつけ合っての、相乗作用効果を狙ってのグループであります。この作品では、ベースにシローン、ドラムにラシッド・アリが参加しております。ぶつかり合っての一瞬の輝きが、この作品を聴く者が求めるものでしょう。

20080409

 二人のぶつかり合いを求めながらも、感心して聴いたは、LPでいうところのA面1曲目の『keeping still』と、B面1曲目の『spanish endeavors』です。共にアダムス作のもので、前者は静寂の中にある優しさを、後者は情熱の影にある寂しさを表した演奏です。アダムスが優しさをフルートで、寂しさをソプラノ・サックスで表現してます。

 二人のぶつかり合いよりも、アダムスの表現力に感心したことに、この二人のユニットがこの作品で終わりを迎えたことを、物語っております。