石畳の道に、レンガ作りの４階建てアパート。１階部には洒落たカフェやパン屋さん。街で目立つ建物は教会。そんなのが、アムステルダムで過ごした欧州の印象です。
通っている病院の待合室に置いてある本の中に、ヨーロッパの家という写真集４冊組があります。それを眺めておりますと、西欧の都市部の光景は、どれも素晴らしいけれど、どこも似た様なものでありました。
Jacky Terrasson(p)，Gilles Naturel(b)，Peter Gritz(d)と録音されたバルネの作品には、パリのムードと題されております。
『ビューティフル・ラブ』はビル・エヴァンスの生涯のレパートリーとしていた曲であり、また多くのピアニストが取り上げている曲です。またアニタ・オデイヘレン・メリルといった大物歌手にも愛された曲です。この曲をバルネは、ミディアム・テンポの中で、会心の演奏を披露しております。カフェを後にした男女が、石畳の路地裏で何やらささやきあっている様子が目に浮かびます。この手の雰囲気を、自己満足に止まらずに、作品として仕上げられるバルネは流石の風格です。