CD時代になっていた1980年代後半に、発掘盤会社というか海賊盤屋で興味ある作品を立て続けに発売していたのが、エソルダンとマグネティックでした。その内容は、1960年代の欧州でのライブ作品であります。エソルダンの2作目として発売された作品を今日取上げます。
ドルフィー入りミンガス・バンドの欧州ツアーを捉えたもの。前回取り上げたオスロでのライブから6日後の、パリでのライブです。
エソルダンとマグネティックから発売される作品が結構売れたのは、その録音状態の良さからでした。この作品も、録音状態は素晴らしいです。
さて内容ですが、『orange was a color of her dress』が良かった。ゆったりとした演奏が11分続き、下手をするとだれてしまうもの。ミンガスのベースが全体をしっかりと支え、ドルフィーのバスクラを中心に、メンバーの力演が聴けます。
一方で代表曲である『フォーバス知事の寓話』では、だれてしまった内容。正式なライブ盤はベストの演奏を集めるですが、このような発掘盤は、良し悪しに関わらずその演奏を収録してしまいます。このミンガス・バンドほどになると、良い演奏のみならず、少し落ちた演奏でも貴重な発掘となっていくのです。確かにだれた『フォーバス知事の寓話』ですが、記録として聴いてみると、興味深く聴けるものです。