ドン・フリードマンと言われても、持っている作品はこれ1枚です。3,200円で買ったCDなので、1980年代前半に買ったものです。しかし、内容はあまり記憶に残っていません。難解との記憶もありますが、恐らくは他のピアニストと混同しているのでしょう。
1935年生まれのフリードマンは、子供の頃より音楽に目覚めました。クラシックの道にとの両親の思いとは裏腹に、やがて彼はジャズに惹かれていき、1956年にウエスト・コースト・ジャズの世界に入り、数多くのミュージュシャンと共演しました。1958年にはNYに進出し、ここでも数多くのミュージュシャンとの共演を重ねました。やはてオリン・キープニュースの目にとまり、1961年から1964年の間に、4枚のリーダー作を吹き込みました。
今日取り上げる作品は、彼の代表作といわれているもので、チャック・イスラエルとピート・ラ・ロッカとの吹き込みです。
先ずはテクニックの高さに驚き、一音一音の力強さに感心し、全体に憂いのある演奏スタイルに魅せられ、悲しい美しさに心さまよいました。そしてタイトル曲や『lovers parting』のオリジナル曲の、綺麗な旋律に酔ったのです。しかし、この手の作品に日頃手を伸ばすかと言えば、またフリードマンの他の作品を購入するかと言えば、ノーであります。これは、エヴァンス同様に、老後の楽しみミュージュシャンとして取っておきます。しかしながら、ピアノ・トリオの名作と評されることには、全く異論がございません。