ジョー・オーバニーは1924年にNJのアトランティックに生まれました。お姉さんはクラシック・ピアニストでオペラ歌手だったとのこと。オバニーは10歳でアコーディオンを始め、後にピアノに転向しました。
1940年代にはLAで著名ミュージュシャンとの共演を行い、注目される存在になっておりました。しかしその後の25年間は、第一線から姿を消し、半ば伝説のピアストとなっておりました。
そんな存在だった彼が再び注目されだしたのは、スポットライトからの作品を発表したことによるもの。これはオバニーがイギリスの評論家に、自宅で録ったテープを送ったことがきっかけだっとか。世間からの注目を浴びだした時に録音されたのが本作品であり、ニールス・ペデルセンとのデュオです。
僕がこの作品を購入した動機は、ジャズを聴き出してから数年経った時期に、名のあるミュージュシャンの作品を広く聴いてみようと思ったからです。
ジョー・オバニーと言えばビ・バップ時代のピアニストであり、パーカーとのスポットライトの共演で知られていますが、その演奏を記憶している方はすくないなのではないか。
空白の期間を得て、この作品でオバニーはバップ・ピアニストとしての実力を存分に発揮しています。ペデルセンとのデュオということで、流暢なメロディを奏でることに専念しており、その意味でこの組み合わせは成功と言えるでしょう。この作品が無ければ、ひょっとしたら僕はオバニーを正面から聴く機会は無かったことでしょう。