このピアノ・トリオ作品は、今年の前半に随所で絶賛された作品です。しかしながら、ゴードンの情報があまり入手出来ません。裏ジャケを見る限りでは、30歳過ぎとの印象です。またゴードンはイギリス出身とのこと。また作品としては、「Undiminished」と「Dozen A Day」が人気とのこと。
Ole Rasmussen(b) と Paul Cavaciuti(d)との演奏で、ゴードンの自作曲中心の内容です。
1曲目のタイトル曲は、優しさと美という、近年欧州ジャズ・ピアノの基本線内容。それを高いレベルで聴かせてくれます。2曲目は、一転して疾走感。それもバイクで飛ばす疾走感から、トラックで飛ばす感覚まで、いくつもの表情をみせています。また5曲目は、タンゴを織り込んだ内容で、その名も『bebop tango』。気張り過ぎる展開を予感させるテンポとメロディですが、気張ることなく快調な演奏。トリオのまとまりの良さを感じさせます。
他の曲もそれなりの内容ですが、どちらかと言えば、欧州ジャズ・ピアノの基本線内容が多いもの。好みから言えば、もっとドライブ感を多く出せばと思います。また上述3曲はゴードン作のものであり、その作曲能力もなかなかのもの。
このままこのトリオで活動を進めていけば、いつかは僕好みの名盤を生み出すことでしょう。