ボサノバ界のスター歌手ナラ・レオンが日本で知名度をグッと上げた作品が、1986年録音の日本語タイトル「あこがれ」という作品でした。これは彼女が幼少の時代(1940年代から1950年代半ば)に、好きでよく見ていたアメリカ映画の思い出から作った作品でした。その内容が好評だったので、同じ製作ポリシーのもと、今日取上げる「いつか、どかかで」が録音されたのです。アメリカの歌を、ボサノバのアレンジのもとポルトガル語で歌っております。
何と言ってもナラさんの歌声の魅力が全て。この最上級の歌声をどのように表現すべきか、語彙不足の頭で必死に考えています。「あこがれ」の時は悩んで末に、「明晰さと気品と大人の色気漂う歌声」と書きました。天使が歌っていそうだけど、美女が目の前にいそう。消え入りそうだけど、耳元で囁いていそう。兎に角、魅力的な歌声だ。そして彼女が歌うと、どんな曲でも彼女の世界になる。今回は、『but not for me』と『summertime』と続く、3・4曲目の展開に痺れました。歌声からは、紫の帽子のドレス姿も似合うし、ジーンズにTシャツ姿も似合いそうな、素晴らしい表情の女性を想像してしまいます。