「where do we go from here」が好評だったのか、それから11ヵ月後にヴァーヴはランディにレコーディングの場を再び与えました。今度はハリウッドにあるシェリーズでのライブ。メンバーは有名所で固めた前作とは違い、ノーマ・マッケイ(b),エディ・ルービン(d)という無名の方々。恐らくはランディの、レギュラー・トリオなのでしょう。
いろんなタイプの曲を用意しており、ランディのセンスの良さがうかがえる内容だ。ユダヤ音楽,無名のピアニストの曲などがある。また自作曲を3曲用意しているが、簡潔なフレーズが印象的な良い曲ばかり。
しかし、最も印象深かった演奏は、スタンダード中のスタンダード『朝日のようにさわやかに』である。僅かなブルース感,微かなスイング感が絶妙に注入されたミディアム・テンポの5分間が楽しめる。
これからの活動を期待されていたであろう彼は、数年後に演奏活動を終了させたようだ。その辺りの詳しい情報が得られなかったが、その後に彼の名前が音楽ファンに知られたのは、フュージョンの名門クラブ「ベイクド・ポテト」のオーナーとしてであった。