1929年にカリフォルニア州サンタ・ローゼに生まれたジュリー・ロンドンは、3歳でラジオに出演し歌ったそうです。その後15歳でエレベータ・ガールになったのですが、スカウトされて映画デビュー。その後結婚を機に一時引退したのでしたが、離婚となって、歌手を志して芸能界に復帰。
今日取上げる作品は、初リーダー作になります。バーニー・ケッセル(g)とレイ・レザーウッド(b)との録音です。
セクシーなハスキー・ヴォイスと評される彼女の魅力は、この初リーダー作から満載です。その歌声は豊かなものであり、特に低音部の色気は堪らないもの。そしてこの初リーダー作が大成功した背景には、そのプロデュースにあり。オーケストラ・バックが普通に思いつくところでしょうが、ギターとベースをバックにするというアイデアは、プロデューサーのボブ・トゥループの良い仕事ですね。彼女の歌声の魅力が、鮮明に浮かび上がるアレンジです。女性歌手が取上げるお馴染みの曲が並んでおりますが、その中で特筆できるのが「cry me a river」でしょう。翌年にはこの曲で彼女は大ヒットを飛ばしたのでした。