2005年3月6日掲載
Robert Mazurek      Man Facing East
Hep原盤                 1993年12月録音

 贔屓のTS奏者デビッド・マレイは、1990年代にサイド参加の作品を幾つか残しております。マレイのコンプリートを目指している僕としては、そのサイド参加の作品も全て購入したいものです。では、そのサイド参加情報の入手先はと言いますと、一つはネット情報。そしてもう一つは、ユニオン新宿店中古フロアのマレイ・コーナーであります。マレイ目当てに買う人がいるだろうと、サイド参加でもそこに置いてあるのです。

 去年12月に行った際に、今日取上げる作品が、マレイ・コーナーに置いてありました。しかし、裏ジャケにはメンバーのクレジット無しです。この盤にマレイが参加していることは知らなかったので、マレイ参加が半信半疑でありました。リーダーのロバート・マズレクは、トランペット奏者。僕にとっては、どこかで名前を目にしたようなしないような、そんなお方です。マレイ参加だとしたら2管でクァルテットということになりますが、ピアノ・レスという編成は別に珍しくないもの。いろんな事が頭を駆け回りましたが、ここで買わなければ一生買えないと考え、購入しました。香港に持ち帰り、中を見て、マレイが参加していないことを知りました。

 George Fludas(d), John Webber(b), Randolph Tressler(p) という参加メンバーです。今となっては、素敵なミュージュシャンと出会えたと思える内容であることを、願うばかりです。

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 ユニオン新宿店の中古フロアのフリー・ジャズの山の中に、マレイ・コーナーがあります。そこにこのマズレクの作品があったということは、フリー・ジャズ「M」の分類にこれを収めようとして「マレイ」の方に入れてしまったという、単純ミスと推測するのが当然でしょう。

 しかしこの作品は、ハード・バップもの。イギリスにおける1960年代作品に通じるクールさがあるもので、清清しい演奏内容です。メンバー全員の色が一緒のなのも、嬉しく感じます。スタンダードの『tenderly』でホッとさせ、タイトル曲でガツゥーンと決め、『roselis』で悲しくさせる中盤の展開で、この盤に出会えた喜びを感じさせます。『Man Facing East』と『roselis』はマズレク作であり、彼の作曲の力量にも感服しました。

 良い盤への出会い方はいろいろあるのですね。