2005年3月31日掲載
Buddy Rich       In Miami
Verve原盤        1957年録音

 ビッグ・バンドのバディ・リッチという印象だが、1950年代半ばから1960年代半ばまでは、ビッグ・バンドを組めずにリッチは大変苦労していたらしい。コンボ・ドラマーとしても一流のリッチは、その不遇時代をコンボに活路を追い求めていた。しかし不遇時代とはいえリッチですから、コンボでの演奏場面は多々あったとか。

 今回の紙ジャケ発売で、リッチ初買いになります。何気なくこの盤を選んだのですが、リッチにとっては異色作なのだとか。共演のフリップ・フィリップス(ts)は、納得の選出になるが、ベースとピアノが異色なのらしい。ピーター・インド(b)に、ロニー・ボール(p)なのだ。イギリス人でトリスターノの門下生という、リッチとスタイルが全く違う組み合わせなのだ。マイアミのジョニーナ・ホテルでのライブです。

20050331

 ネットで調べたが、ジョニーナ・ホテルはもう潰れたようだ。しかしリッチを呼べるホテルなので、当時は時代の先端を行っていたリゾート・ホテルだったのでしょう。プライベート・ビーチで昼間のんびりして、夜は極彩色のカクテルに口付けながら、リッチの演奏を楽しんでいる絵が浮かんでくる。そんなお客さんを、思いきっり盛り上げる演奏だ。昔の面影が無いほど太ってしまった夫婦が、陽気に踊っていたに違いない。手数の多いリッチのドラムに鼓舞されたメンバー達は、違和感を感じさせない演奏を繰り広げています。