2005年2月3日掲載
John Hicks       beyond expectations
Reservoir原盤   1993年9月録音

 今日取上げるピアニストのジョン・ヒックスは、このコーナーではマレイ特集の中で何度も取上げてきた方です。しかし、リーダー作は初掲載になります。また、このコーナーでは、リザボア・レーベルの名物シリーズである「New York Piano」を既に12枚取上げてきましたが、このヒックスの盤もそのシリーズの1枚であります。このコーナーに縁が深そうな1枚と言えますね。

  Ray Drummond(b) と Marvin Smitty Smith(d) との、吹き込みです。

20050203

 ヴァン・ゲルのピアノ録音には首をかしげるのだが、ベースとドラムに乗ったヒックスのタッチの強さは、なかなかのもの。ヒックスはこれから2週間後のマレイセッションで、『FOR AUNT LOUISE』と『LOVE AND SORROW』という2枚の作品を、収録している。そこでの好調さが、この『beyond expectations』では、しっかりと伺える内容になっている。

 しかし、推薦盤とは言い難い。特筆すべき展開が無い。エヴァンスの『turn out the stars』,パウエルの『bouncing with bud』と続く最後の展開が、もっと他でも欲しかったね。