アン=マーグレット・オルソンは、小学校の時から芸事を好んでいたそう。ダンスのレッスンも受け、高校時代にはクラブで歌って踊っていたそうです。日本だったら不良少女の烙印を押されるのでしょうが、アメリカでは何も奇異に写らなかったのでしょう。
ノースウエスタン大学に進んだ彼女は、友達とザ・サトル・トーンズを結成し、ラスベガスのデューンズ・ホテルのラウンジに出演しておりました。その評判が素晴らしく、彼女は大学を1年で中退し、プロの道へ入っていったのです。
今日取上げる作品は、彼女にとっては2作目のもので、二十歳の時の吹き込みです。
カントリー調やロカビリー調など、この時代のアメリカン・ポップスを、清楚で可愛い声で頑張って歌っている作品。その中に『slowly』という曲は異色のもの。この曲はプレスリーのヒット曲を書いているオーティス・ブラックウェルが作ったものです。この曲をアン=マーグレットは、色気たっぷりに歌っている。少女とは呼べないが、まだまだ若さ輝く女性が、思いっ切り背伸びしての色気である。この1曲でこのアルバムの存在価値があるものになっている。