紙ジャケ盤にはテリー・増田氏の解説が封入されいるが、のっけから凄いというか言い訳のようなフレーズが並んでいる。「当アルバムを購入した貴方は偉い」とか「こういったアルバムこそ先々のお宝盤に化けることだって大いに在りうるのである」といった具合である。全体の四分の一が、こんなフレーズで埋まっており、何がなんだか分からないのだ。その先を読んで、ようやく事態を把握した次第です。
この盤の主役はジャック・コスタンゾであり、コンガ奏者であり、ラテン系では名前が知られた方なのだそうだ。全12曲中10曲がコスタンゾのバンドの演奏であり、タビーは参加していない。 辛うじて残りの2曲が、タビーとコスタンゾの共演になっているのだ。
増田氏のコメントは、昨今の欧州名盤ブームに乗じて、タビーの名前が辛うじて加わっているが、ジャズからは離れた作品を再発したことに起因しているのではないかな。
さて今回の再発に際して、帰国時に購入出来ない事態を避けたくて、内容を全く確認せずに注文した僕にとっては、何か少しヤラレタ気分。しかし、問題は中身ですよね。
打楽器での演奏が延々と続くという、想像通りの作品。流石にこの道で一流な方だけに、こういう音楽もたまにはいいかと思う演奏です。中には、チェロと打楽器の対比がアジアの香りで演奏されている「lament for cello」などもありました。
さてヘイズさんですが、コスタンゾの世界を尊重しながら、短い場面でハード・バッパーの実力を発揮しております。