これは、ファラオのバラッド集の第一弾だそうです。
クレジットを見る限り、全9曲であり、その内の7曲が William Henderson とのデュオ。 William Henderson はシンセとピアノを演奏しているようだ。残りの2曲の内1曲には、ジョン・ヒックスが加わる。そしてもう1曲は、アルヴィン・クィーンと Lynn Taussig が参加。アルヴィン・クィーンとサンダースの組み合わせは面白いが、 Lynn Taussig は訳の分からぬ楽器で参加しており少し不安。
主役サンダースはテナー・サックスだけのクレジットですが、裏ジャケにはソプラノ・サックスを吹く彼の姿が映っております。
入魂のバラッド集である。過度な盛り上がりを排し、魂を聴く者に押し付けがましさを与えずに注入している。取分けその意味が強いのが、コルトレーン作の2曲。コルトレーン「feelin' good」で聴ける「living space」をウィリアム・ヘンダーソンのピアノと、またコルトレーンの「impressions」に吹き込まれている「after the rain」をヒックスのピアノと吹き込んでいる。様々な光景が浮かび上がってくる演奏である。
ここまでの素敵なバラッド集を吹き込んだファラオには、当然ながらクァルテットでのバラッド集を期待したくなる。それは、直ぐ実現したのだ。