矢沢栄吉も奥さんの名前を冠した曲とアルバムを作ったことがあり、サンダースの親分コルトレーンには当時の奥さんの名前を付けた有名曲があるのは、実に有名なこと。本当に愛しているから奥さんの名前を付けるのか、響きの良い女性の名前をタイトルにしたかったが、他の女性の名前を付けると複雑な家庭問題を引き起こしてしまうからなのか、なんなんでしょうね。
シュクラとはサンダースの奥さんの名前で、スワヒリ語で感謝を意味するものだとか。William Hendersonがシンセサイザーで参加し、レオン・トーマスが声で参加している作品です。
シンセサイザーは日本メーカーの独断場だと思っておりましたが、この作品でWilliam Henderson が弾いているKurzweil とはワシントンにあるシンセサイザー・メーカーで、実に有名な存在だとか。 そのシンセサイザーが、良い雰囲気を作り出している作品です。
1曲目の奥さん曲は、広大な川の彼方に陽が沈んでいくのを一日の感謝を込めて見つめている雰囲気の曲で、サンダースのサックスが効果的になる環境をWilliam Henderson が見事に作り出しております。
2曲目の「body & soul」では、前半のサンダースの乾いた音色と後半の盛り上がりが、実に対照的な演奏。コルトレーンが名盤バラッドで披露している「too young to go steady」は、サンダースが吹くバラッドの真骨頂が聴ける内容。軽く吹きながら、感銘を与える内容なのだ。
途中だらけた出来の曲もありますし、またシンセサイザー多用なので、敬遠される傾向があるかもしれない作品。しかし、聴く価値は十二分にありますよ。