2003年6月27日掲載
Wynton Kelly       Full View
Milestone原盤      1967年録音

 ケリーの演奏活動にとって、この作品はどんな位置付けなのであろうか。「グレート」や「ブルー」、そして「ミッドナイト」と言ったように広く知られた盤でないのは確かですね。

 1959年1月のマイルス・グループ加入はケリーにとって、その名を広く知らしめたものだったよね。ところがマイルス御大の若返り策のために、チェンバースとジミー・コブと共に首になったケリーは暫くこの3人で活動。ウェスやカークのバックとしても活躍してましたね。この作品は、そんな3人の活動にも終止符がうたれた後にこの作品は吹き込まれ、ベースをロン・マクルアに替わっております。

 正式リーダー録音作品としては最後になるようですね、この作品は。

20030627

 国内盤を買った場合には日本語での解説が書かれているけど、あんまり読まないですね。読む側はそんなに気合入れている訳ではないのに、やたら難しい感じ書く人が多いんだな。その中でもすんなりと読める解説っていうのは、良いことが書いてあるヤツがあるんだとね。この盤の解説を書いている青木啓さんも、そんな一人。「サイドでのケリーが良いのだ、この盤はサイドでのケリーの魅力が出ている」ってね。頷く人が多いのではないかな。僕は頷いた一人です。

 もう一つ青木さんが書いていることに、「縁は異なもの」を取上げていることに触れている。ダイナ・ワシントンの伴奏者としてのケリーに魅力を感じている人も多いでしょうけど、この曲はダイナの十八番。センスの良い明るいブルース・フィーリングに酔える演奏です。好きだな、この盤。