2003年3月5日掲載
Hank Mobley           Hank Mobley
Blue Note原盤      1957年6月録音

 オーディオに凝ってくると、ケーブルに行き付くらしい。機材総額の3割をケーブルに費やすらしい。電線で音が何で変わるのという素朴な疑問を持っている僕も、SPケーブルには10万円使ってしまった。次はインタコだと考えている次第。

 ジャズ・ファンにもオーディオ狂い,従ってケーブルに情熱を燃やしている方々がいる。寺島氏と故.安原顯氏だ。二人の対談集「JAZZジャイアンツ名盤はこれだ!」に時折出てくるオーディオに関する件は面白かったですね。

 そう言えば、寺島氏の初期本に紹介されていたジャズ好きの本屋さんの店員さんは、店を辞めた後にレコード屋を開いたのだけれど、今やケーブル屋さんと言った方が良さそうな存在になっています。さて寺島氏の本によるこの本屋の店員さん、このモブレーの幻の作品「1568」のオリジナル盤を大枚叩いて買ったとか。その歓びを表すために、名刺に「1568」を買った旨を記したとか。

 ジャズ・ファンを熱中させた今日取上げるこの盤「1568」、ビル・ハードマン(tp),カーティス・ポーター(as,ts),ソニ・クラ,チャンバース,テイラーからなるシクステットでの吹き込みです。

20030305

 柔らかなモブレーに対して尖っているポーターのサックス、そして洗練されたハードマンのペットと、3管編成の良さが出ている1枚。しかしポーターという人は、ミンガスでの演奏しか記憶が無いのですな。この作品でも良い2曲を提供していて、興味深い人です。

 NYに出てきたばかりのソニ・クラを含めたリズム陣も好演をしており、何故「幻」になってしまったのか不思議な1枚です。

 先に書いた元本屋の店員さん、オリジナル盤だと唾が飛んでくるような気になるとか。インタコ・ケーブルを変えれば、僕のCDと装置でも唾が飛んでくるのでしょうかね。