ジョン・テーラーと言えば「覚醒」だ。テイラーの初リーダー作品で、「三者が対等な立場で展開するシャープで刺激的、頭脳的な高度なインタープレイ」(ヨーロッパのジャズ・ディスク1800.ジャズ批評社発行)な作品だ。
紙ジャケでMPSの作品が発売された時に購入しこのコーナーでも取上げた・・・と思いながら、掲載済みリストを検索しても載っていない。この時の他のMPSの作品は、2001年2月に取上げているのに。
何かの間違いだと思い、調べに調べるが載せてなく、その間にうどんを湯掻こうと火にかけていた鍋が沸騰しつづけ、台所の窓が僕の頭同様に真っ白になっている。
まぁ覚醒のことは忘れて、澤野から発売された彼の新譜の話をしよう。澤野を最初の頃から取上げてきたこのコーナーであるが、ここ半年は澤野から発売される作品の3割ほどしか買っていないのである。
ジャロの新譜棚でこの作品を見た時には、即座に引っこ抜いた。60歳間直のテイラーの演奏に、それまでそんな意識したピアニストではないのに、強い興味を持ったのだ。
ケニー・ホイラー(tp,fh),リカルド・デル・フラ(b)との変則トリオであり、メンバーのオリジナル曲で固めた内容です。
どこから出てくるのか、渋い輝きのメロディ。ピアノとペットの音色と共に、骨格がしっかりとしながら流れるようなメロディ。最初の「for dor」が、その決定打。その後の10曲そのメロディが続くのであるが、空腹の身には神経の集中が続かなかったのであるが、ベースの艶かしい音と共に心に残る作品である。