1990年代のアシッド・ジャズ・シーンというのが理解できていない僕には、オルガン奏者ラリー・ヤングのこの作品中の「ブラザー・トロス」が録音から30年近く経って脚光を浴びた事など、全く知りませんでした。
さてラリーさんについては、ニュー・ジャズに吹き込んだ作品を以前ここで取り上げました。このころのラリーさんは、スミスの影響下から抜け出していないというのが、一般的な評価だとか。
ブルー・ノートへのデビュー作である本作品からは、彼独自のスタイルを確立したとか。それは、コルトレーン黄金クァルテットにおける、マッコイとギャリソンの影響から築かれたスタイルだとか。
このようなことが、封入されていた解説書に書かれてました。
エルヴィンのドラムスを得て、グリーンのギターとリヴァースのテナーと共に、ヤングはどんなスタイルを聴かせてくれるのでしょうか。
ユッタリと楽しくムーヴする演奏が、本当に心地よかった。バックの3人の存在感はさすがなものであり、その中でラリーはさらっとソウルな演奏を繰り広げてくれてます。ソウルフルなスミスとの違いは、この辺りの色付けなのでしょう。