フィリップスのリタ・ライスをここで取上げるのは5枚目であります。彼女が40歳の時に吹き込まれた本作品は、タイトルが示す通りオリヴァー・ネルソンが編曲・指揮を務めています。
驚きは、そのオーケストラのメンツ。欧州在住の有名ミュージュシャンと欧州の有名どころの混成チームです。
バックの音に比べて、ヴォーカルは浴室の中にいるかのような録音。それを抜きにすれば、リタの歌は、余裕たっぷりで締まった高音が実に魅力的。それに、バックのアレンジとソロが程好くブレンドされております。サヒブ・シハブのバリトン光る「satin doll」、旦那ピムのピアノが洒落ている「quiet nights」が良かったですね。
それと、「ill wind」。このバラッドに今まで注目したことは無かったので、新たな発見として喜んだのと同時に、バックのアレンジの妙にも感心。好きな曲「if I were a bell」をやたら早く処理していてがっくりしたのを除けば、満足出来る作品です。