チャーリー・ヘイデンが、ブレイ&モチアンのポール2名とモントリオールのジャズ・フェスに臨んだライブ盤で、1994年に発売されたものです。
これを買った理由その1は、エージングが終り低音の艶めき感が素敵になってきた我がオーディオで、ベースの音を堪能したいこと。
その2は、今までまともに聴いてなかったブレイのピアノを、いろんな意味で味わいたいこと。
その3は、寺島。これを買った2002年末にユニオンは、寺島本「これを聴かずに死ねるか」と連動した企画を催してまして、このCDもその1枚。寺島氏が絶賛する演奏とブレイが全く結び付かない僕の脳は、聴いて確認せよと僕の右手に命じ買わせたのです。
弦を力強く掻くようなスタイルではないヘイデンのベース音は、以前の装置だと軽く響いていたことでしょう。しかし今の装置では、適度のベース体の響きが聴き取れて、音を聴くということだけでも満足出来る内容であり、そこに良い演奏が加わっているのだから、ベース1本だけで購入価値を感じさせる1枚です。
結構前ですが、ある役者の誌の朗読をTVで観た事があり、それは重厚な声質に強弱・高低でテンポを自由自在に操ったもので、感動した記憶があります。ヘイデンのベースを聴いていて、それを思い出しました。
更にブレイのピアノ。以前SJのインタビューでブレイは、レコーディングの際に曲目とかの指定を受けた時はプロデューサーの意向に沿う演奏を100%行い、自由に任せられたレコーディングの時には全て即興で臨むと発言したことを、覚えております。このヘイデンの作品では、ヘイデンの提示したテーマに沿いながらも自信の即興性を満足させる演奏を行っているように感じました。
寺島氏はどの曲を気に入ったのかなどすっかり忘れて聴き終えた1枚です。