2002年8月17日掲載
Jessica Williams      This Side Up
MaxJazz原盤            2001年8月録音

 HMVでこの作品を見た時は、買うのを躊躇したね。SJでこの盤を誉めて書いてあったのだが、彼女の紹介としては長年活躍しているピアニストだが、小難しいことをやっており一般的な知名度は無しとのもの。

 俺には小難しいが引っかかったのではなく、ベテランであればその存在くらいは知れ渡っていても可笑しくないことなので、勘違い芸術家と思ってしまったことなんだ。

 しかしジャケに写っているオバさんがどんな演奏をするのかに興味を持ち、購入した次第です。

 1948年生まれなので録音時には52歳の、立派なオバさん。過去27年間に38枚の作品を発表したらしいが、一体どんな演奏でしょう。

20020817

 打楽器としてのピアノの魅力を楽しめる作品。

 鍵盤楽器として流れてくるメロディは、陰影に富んだもので、誰もが持つ孤独感に訴えるものであろう。「the judge」が、その意味でお見事な出来。

 また「miles to go」では、ギターでいうところのチョーキングのような音をピアノで表現しており、かつそれがテクニック披露を感じさせずに素直な流れで聴かせるのは流石。

 そしてカーク作の「theme for the eulipians」の冒頭では、全身をピアノ右側に動かして弾いている様子が飛び込んでくる高音連発、そしてタンゴ調で琴線をくすぐる演奏。

 ベテランのジェシカさんではありますが、僕にとっては注目のピアニスト登場ですね。何故か彼女の過去の作品に興味が沸いてきませんが、これからの作品には大きく注目していきます。