2002年5月5日掲載
Barbara Pfluger      Silvermoon
Pan Tau-X原盤     2000年5月録音

 オーストリアのレーベルから発売されたバーバラさんの作品。彼女のファミリー名のUの上にウムラウントが付いており、僕には発音出来ません。

 Reinhard Micko(p),Herwig Neugebauer(b),Uli Soyka(d) というメンツのピアノ・トリオがバックを務めており、スタンダードからジョン・レノンやヴァン・モリソンまで幅広く取上げています。

20020505

 特筆は録音の素晴らしさ。

 ベースは骨太でキッチリ締まっている。ドラムはブラシが切れ味良し。ピアノは控え目ながら決して線が細くならず。ここでの各楽器が狙った役割を、しっかりと録音しています。

 そして、ヴォーカルね。無伴奏で始まる「old devil moon」では、ひれ伏せたくなるような低音が魅力的にしっかりと、録音されていて圧巻。

 さて中身は、太くてハスキーながら色っぽい歌い声なのですが、本人はホリディの「don't explain」を、この作品の柱と考えているよう。確かにベースとのデュオは、情念を曝け出している出来で良いです。しかし僕の一押しはレノンの「jealous guy」。レノンというよりブライアン・フェリーの歌に惚れているのですが、バーバラさんはこのバラードをピアノ・トリオをバックに、酔わせる歌い方を披露して下さっている。

 これから暫くの間は愛聴盤席に置かれるであろうこの作品は、バーバラさんやバックだけではなく、録音エンジニアの Reinhard Buchta さんの力が大きな要素になってますね。