SJ誌のゴールド・ディスク選定は、広告をどれだけ出したかで決まるのは衆目一致のことでしょう。只今キング・レコードがキャンディドに力を入れて広告を打っており、新譜系作品群の中からこれが選ばれた次第です。
昨秋に香港で買った時は国内発売なぞ思いも寄らなかったのですがね。ゴールド・ディスク選定には非難がいろいろあるでしょうけど、もし僕が彼女を知らなかったら、それはそれで良い機会になったはずなので、害だけではないですけどね。
さて本題。前に取り上げた2枚は1998年の吹き込み、今回のはそれから2年後です。ピアノ・トリオを中心にギターとテナー入りのクインテットをバックにして、スタンダード中心という内容です。
前作からの比較から言うと、表現力が抜群に上手くなってますね。この作品では、ギターとピアノとの、ほぼデュオといっていい曲が多いのですが、難しい設定を素晴らしい設定にする歌い方ですね。ピアノとの絡みが印象的な「violets for your furs」が、白眉かな。ギターとの「I've got a crush on you」も、最高だしな。兎に角、表現力を身につけ持ち味の甘い声がより一層魅力的なったケントさん、目が離せない存在ですね。