今振り返ればパメラ・ヨークという女性ピアニストの名前に聞き覚えがある気もするが、この作品を買ったのはトンだ間違いから。ヴォーカリストだと思ったんですよ、ユニオン渋谷点でジャケを見た時に。John Clayton(b),Jeff Hamilton(d)という力強い援軍を得て、どんなピアノ・トリオ作品に彼女は仕上げているのでしょうかね。タイトルの「ブルー・ヨーク」って、モンクに引っ掛けてあるのかな。
トム・ハレル作の「sail away」を引っ張り出してくるセンスは、さすが。ミディアム・テンポの心地よい曲を、彼女風の心地よさで演奏しています。
と言うのは、彼女の本心は、ソロで演奏した自作の「back to the border」における、モンク風の演奏にあるのではないか。或いは自作のタイトル曲、或いはビリー・ストレーホーン作の「intimacy of the blues」におけるファンキーさにある気がする。
それと、リズム感が独特と言うか強さが足りないな。「like someone in love」を優雅に演奏しているが、絶好調のドラムのきびきびしたリズムに、取り残されているね。モンク風やファンキーでは、さほど感じなかったのは、そこで彼女が伸び伸び演奏していたからではないかな。
12歳でプロになることを決意し、1991年にバークリーに入学した彼女。録音時には28歳前後。結構キツメのコメントになりましたが、これからの成長が十分期待出来るミュージュシャンに出会えたからのことで、自身の本質を見出した演奏が出きるようになれば、素晴らしいミュージュシャンに成り得る方でしょうし、この盤も聴き込めば愛聴盤になる予感もします。
1曲だけ「everything happens to me」を弾き語りしており、澄んだ透明感のある歌声。でも、ここでは余興にしか感じないです。