1936年ドイツ生まれのジョー・ハイダーは、ミュンヘン音楽アカデミーで作曲とピアノを学んだ後、1965年にプロ・デビューしました。シャープな硬質のリリシズムと緊張感をたたえた頭脳的なバラード表現に、真価を発揮するピアニストとのことです。日本ではトリオ作に高い評価を得ているようですね。Giorgos Antoniou(b)とDaniel Aebi(d)とのトリオ作品を、寺島本「新しいJAZZを聴け!」ではストレス解放盤だと書かれています。
静から動へ変わっていく朝のような気分のタイトル曲、活発な行動が目に浮かぶ「bilein」、光りを遮っている樹海の中にいるような「blues for alf」という、1から3曲目への流れの中での、ハイダーの曲作りと演奏における緊張感に圧倒される1枚です。その他にも他の人の曲ながらメロディ・ラインに魅力のある、「you and the night and the music」や「t(h)ree」など、聴き応えのある充実した内容です。
録音時には64歳のハイダー、まだまだその活動が十分期待出来るお方ですな。