2001年8月25日掲載
Lin Halliday        Airegin
delmark原盤       1988年9月録音

 寺島・ユニオン2001夏企画がなければ一生その存在を知らずに、ましてや聴くことなどなく終るはずの1枚です。リン・ハリデイさんはシカゴのテナー・マンだそうですが、ジャケでは60台半ば。そうだとしたらビ・バップの時代には20台なのですが、ベテランの割には知名度は全くありませんね。地元のクラブやホテルで酒をかっくらいながら、今までサックスを吹いてきた方だと想像しますが、大きな間違いは無いでしょう。同様な経緯を辿ってきたと思われるピアノ・トリオをバックにして、スタンダードを8曲演奏しています。

 購入の理由は、「この高揚感たるや、まるで私が戦闘機のパイロットになったような素晴らしさ」という寺島氏のコメント。どんな高揚感なのかな。

20010825

 スカスカした音はマウス・ピースのせいかとも思ったが、入れ歯の具合でも悪いのではないかな。年輪が変な箇所に出ているが、寺島氏が言う「高揚感」は感じませんな。しかし「my foolish heart」での枯れ方は見事。数々の修羅場をサックス抱えて乗り切って、酸いも甘いも分かっている演奏。さすが、ベテランですね。