これがLPで発売された理由は、当然ながら1956年6月26日に26歳の若さで亡くなったブラウニーへの追悼によるものでしょう。内容は、二つのセッション。
一つはタッド・ダメロンのオーケストラでの録音。
もう一つは、アート・ファーマーと一緒にスェーデンに楽旅した際に、現地にいたミュージュシャンと吹き込んだものです。
共に10吋で過去に発売されていたもので、マックス・ローチのグループに参加して数々の名演を繰り広げ出す前年の演奏になります。
両セッション共に、のほほんとした刺激の少ない、余り感じるところが無い演奏です。でも、驚いたことが一つ。それは、スェーデン・セッションのメンバーです。
Arne Domnerus(as), Lars Gullin(bs), Ake Persson(tb), Bengt Hallberg(p), Gunnor Johnson(b), Jack Noren(d) の6人で、ドラム以外は1950年代後半以降のスェーデン・ジャズ界を背負って立った方々ですね。この録音の時には、必死で本場アメリカのミュージュシャンから、ジャズを吸収していたのでしょうね。