1998年9月録音の「plays ballads」を前に取り上げたのですが、今回の作品もそれと、レーベル及びメンバーは同一のサックス入りのクァルテットで、アート・ブレーキー・ジャズ・クラブでのライブ盤です。サックスを引き立てるバッキングとしてのピアノ演奏と共に、マッザリーノの曲作りの良さにも感心しました。その意味ではメンバーが同じで、6曲中2曲がマッザリーノの作品。楽しみな1枚です。

バンドとしての充実度がよりアップしてきているのが、しっかりと聴き取られる1枚。1曲目のバラッド「moon alley」を聴けば、メロディを大切にしながらダイナミックに演奏し、ソロでもバッキングでも冴えを見せているマッザリーノのピアノがそこにあります。このピアノのバッキングに支えられてテナーのベアルザティの演奏が、またまた聴き所。哀しげで影のある辛いサックスは、前作よりも一層パワー・アップしております。全てにおいて1年半前の演奏より数段アップしているこの盤を聞き終えると、マッザリーノのピアノ・トリオを聴きたくなるのと同時に、ベアルザティのサックスも聴きたいというように、我侭な要望を次作に求めてしまいます。